[彼奴の慾を高める間、話せない代わりに巡らせていた思考はとりとめもなく、
狡い大人とやらから見ればくだらない思想かもしれない。>>*37
しかしそんな考え事でもしていない限りは自分の行動、
つまりはこの男の性欲を満足させるために自らの口腔を駆使しているという点に
集中しなければならないわけで、それは避けたかったのである。
どこまでもこちらを見下した相手が、此方が屈辱と息苦しさで死にそうになりながら
行った行為へ返してきたのは顔面と口腔に向けられた慾の飛沫であったことにさすがにキレそうであったが。
その苛立ちをこちらは必死に抑えているというのに、
何の意図か知らないが目の付近に塗りつけられ、残滓の放つ生臭い雄の香りにそろそろ掴み掛ってもオレは悪くないのではと思い始めてきた。
それでもそれをしないのは、この男にオレの子を孕んでもらわねばならないということに関してこちらも譲る気がないから。
しかし悔しい話だが、この男が先に言った通り、オレはこの男に無理強いが出来ない。
男の言う独り善がりのセックスをしたとして、
それで得られる満足など後に賢者タイムが来たときが恐ろしいと容易に想像がつくからである。]
(*47) 2015/11/13(Fri) 22時頃