俺の背中は、吾郎の爪を立てて欲しがって泣いているが。
[肩を押してまで熱を求めていたのなら、致し方ない。>>*36
天を穿つ矛は食い入るような視線にも物ともせず、
鞄から取り出した小瓶の中身を、口に含んだ吾郎を見遣り。
数秒前まで悪戯な笑みを浮かべた頬に、切っ先を擦り付ける。
見えた赤いパッケージは、数世紀前からある精力剤。
口淫の振りをして粘膜に直接染み込ませる悪戯は、
一体どこで覚えて来たのやら。他人にやられた口だろうか。]
吾郎はつくづく、運が良かったらしい。
男を煽り過ぎればどうなるか、知らずにいたのだから。
[肘を突き、上体を起こすと慾情の塊を口に含んで顔を歪め、
飲み切れなかった液体と唾液で汚れた口元を指で拭ってやる。
は、は、と切れ始めた息。膨張を続ける肉は留まる所を知らず、
吾郎の咥内に焼けるような熱をただただ、与えるのみ。]
(*45) 2015/11/13(Fri) 21時半頃