[口ほどに物を云う彼の黄昏が、己の予想的中を知る。
病が先か、孤独が先か、考えてやるほど彼に親身はないが、
痛々しい情交で青年の未来を挫いてやるのも憚れる。
彼の奇人ぶりに多少絆されている感はあるものの、
問われた言葉には当然NOの否定で喉を震わせた。>>*33]
曲解の末に如何しても其処に着地したいようだが、
手際と手筈を弁えているだけだ。
それとも、君には私が君の子を産みたいように見えるか?
[自信過剰ぶる彼にはきっと良く効く皮肉。
子供に覗かせる大人げなさは、彼が丁寧に引き出す代物。]
君がその目的を叶えたいと思うなら、
動かすべきは口でも頭でもない。
―――…いや、この場合、口は合っているが。
[顔に似合わぬ下世話をしれりと飛ばし、
招いた指先は己の兆しを知らぬ股座へと彼を誘導。>>*34
どれ程手並みを持つかは知れないが、手綱は常に自身が得る。]
(*42) 2015/11/12(Thu) 23時半頃