[自分本位なセックスがしたいのかと言われるとどうにも馬鹿にされた気分なので、それは否定したい。>>*5
オレを中心に世界が回っているという事実は曲げられないにしても。
恭しく礼をする姿に多少気はよくしたが、警戒を解くには至らなかった。
距離を詰めた男の失礼な物言いに対しては眉を顰めるに留める。>>*6
潤沢な、とは言えないのは事実だが脳内では100人は斬っているからな、とは内心で。
徐に掛けられた力に視界が天井を捉え、悪いようにはしないなどと言われれば、なんのつもりだと眉間の皺を深めたが、鎖骨に触れた鼻先の感触と確かめる様に吸われた空気の振動に僅か身じろいだ。
男が告げる中折れやらな心配事は、全くオレには無用の話だが、
これはもしかしたら彼奴の不安の裏返しではないかと聡明なオレは思い至る。
先ほどからこの男は逐一オレを品定めする様子が見えるからだ。]
(*12) 2015/11/12(Thu) 02時半頃