[男にはわからなかった。何故、優しくしてくれているのか。うれしかった。同時に、辛くもなった。汚れなくてもよいはずの若い神が、男に巻き込まれて怨恨の只中にさまよいこんだ姿。そんなことは望んでいなかったのに。古い神を祓い、若い神に未来を託す。男は― は、それを望んでいたのに。祟り神に憑かれたことで、ただの憎しみに駆られてしまいそうになる自分が憎い。]
(*11) 2013/08/15(Thu) 00時頃