[確かな違和感。薬の効き目がまだ甘いのか。胃液がせり上がり嘔吐感に苛まれる。思わず口を押さえてしまったのはきっと誰にも見られてなければいい。
噛むたびに溢れる肉汁は廃油をそのまま飲み下しているようにしつこく喉にまとわりつき、舌に触れる柔らかな感触とざらりとした舌触りはまるで魚の目玉を舐めているようなそんな感覚。
全員が美味しそうに食べているのが目に入ればここで吐き出すというのもはしたない。ああ飲み下さなければ、なんて無理やり喉の奥へ押し込めば喉を通る感触は異物を無理やり嚥下するかのように気分が悪い。
(……っ、なに、これ……)
その後口内にば胃液の酸味が広がるが、生唾と共にそれをまた無理やり飲み込む。…顔は、そう、笑顔で。何故だかこの感覚は他の人に気づかれてしまってはいけない気がして。
……嗚呼気付かれないようにするにはこの気分の悪い物体を食べきらなければならないのだろうか。
食べる前までは美味しそうに見えていたそれは最早美味しそうには見えない。あんな気分の悪いものを食べたばかりだというのに、薬の影響か空腹感はさらに増していく。]
(*0) 2015/08/24(Mon) 21時半頃