人狼議事

215 【誰歓】エンドローグ


【見】 子守り 日向

[家の中では相変わらず話すことが出来たけれど、中学二年生にもなって未だ上手く話すことの出来ない自分を、両親も流石に不安に感じているようだった。
親なのだ。話せないよりはきちんと人と話せるようになってくれる方が嬉しいに決まってる。
仕方ないとは理解しつつも、学校での状況と合間ってそれは徐々に重みを増した。
胸のうちを侵すように黒い水が広がってゆく感覚で息が苦しい。溺れてゆくみたいだ。]

『……学校では、やっぱり話せない?』

[ある日の夕食の席で、遠慮がちに母がそう問う。
それに返事を返そうとして、自分の声が出ないのに気付いた。
──どうして。
視界に映るのは、慣れ親しんだ自宅。
ここは、ここでだけは、喋れるはずなのに。
ばくばくと煩いぐらいに心臓が音を立てる。手が、ひどく冷たかった。
喋れないことが母にばれないように、それだけを考え俯いて首を振る。逃げるように席を立って自分の部屋に駆け込み、勢いよく布団を被った。]

……っ、……

[どうしよう、喋れなくなる。もう、──私、どこにいっても話せなくなる。
……だれか、たすけて。
そう叫びたかったのに、擦れた音が喉を滑る。硬く硬く目を閉じた。]

(@17) 2015/02/07(Sat) 21時半頃

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