[教室の隅に移動して、教室の中を見回す。
今はもう廊下に出て行った鳥飼と虎子の教室内での様子を思い出して、小さく笑む。
とても、幸せそうな笑顔。見ているだけで、胸が暖かくなった。
胸元でぎゅっと拳を作り、瞳を閉じる。
1つ1つを忘れないように大切に刻みつける]
………あっ…!
[記憶を刻んでいたところで、あることに気付いて、小さく声をあげる。
教卓から造花を手に取って、記憶を探るように眉を寄せて考え込む。
教室から出て行った鳥飼に感じた違和感。彼は造花を付けていただろうか。自分が付けた覚えは無い。愛里が付けていたかどうかまでは廊下に出ていた時間もあるから、分からない]
鳥飼さん……たぶん、造花付けてない?
[もしどこかのタイミングで造花を付けていたとしても、あの騒ぎに潰れているかもしれない。
それも幸せの証かもしれないけれど、できれば綺麗な造花で卒業式には出て欲しい]
あの…みさきさん。私、鳥飼さんと虎子さんの造花を見に行ってきますね。近くにいるといいんですけど。
[近くにいた実行委員のみさきに声をかけて、急いで教室を出て行く]
(@11) 2011/03/01(Tue) 20時頃