……私は。
何も、知らないのに、人を軽蔑したり、責めたり。
そういうことをするのは、こわい。
[須藤と神田の前で呟いた言葉>>1:@8を、もう一度、──少しだけ形を変えて。
弱音を吐く声音でなく、淡々と事実を述べるように。
言ってから、此方の方が真実に近いと自分でも思う。駄目だからそうしないんじゃない。
薬物に手を出すことも年若い妊娠も、人を煽り追い詰める言葉も、決して是とは思わない。
だけど、私はきっと怖い。
……いつまでもいつまでも、脳裏に蘇る言葉がある。
『日向さん、貴女は、どうして』
崖っぷちだった。もう、逃げ場所なんて断たれていた。怖いと思った。だから。
同じように、目の前の彼にも怖いものが有るのだろうか。突き刺す言葉と薄っぺらい笑みの、その奥底に。
子どものような言葉を吐いて俯く彼に、問いかけた*]
……梶さんが、こわいものは、何なの。
(@10) 2015/02/07(Sat) 09時半頃