[まるで自分の怯えが伝播したかのように、「どうして」と問われた声がどこか震えていた。>>98
何度か感じていた罪悪感が、もう、はっきりと形を成して胸の真ん中に居座っている。
何時かのように、喉が詰まって手と足が強張る。
こんなことするんじゃなかった。誤魔化すように、紛れ込んだりなんかしなければよかった。
こんなの、なんだか、ひどい裏切りみたいだ。
振り切るように、声を出した。]
……ホールの扉。
さっき、開かなくても、……ちゃんと、開くから。
[時期がきたら、開くから。
時期っていつだろう。この場所が選ぶ"扉のあく頃"それが具体的にいつなのか、自分にもわからない。
けれど、"自分の時"と同じ程度の時間の経過で扉が開くのなら、それはそう長い時間ではないはずだった。]
そしたら、帰れる。
大丈夫、だから。
(@7) Maki_hinata 2015/02/12(Thu) 00時半頃