……落し物……。
[ホールを出て、一瞬考える。
須藤が何処で目覚めたのかは知らないが、今までの彼の言動からしてもそんなにあちこちをうろついたとは思えない。
そして、自分が須藤らと共に行動していたのはホールと台所、それからそこを結ぶ廊下程度だ。
まずはそこを探すのが道理だろうと、台所へ続く廊下を選ぶ。
ぱたぱたと軽い足音を立てて廊下を駆けてゆけば、前方から鋭い声。>>58
ぴくりと肩を揺らして立ち止まったが、その声が神田のものであること、そして呼んだ名が須藤のものであること。
その2点に気付けば、どうやら別々に出ていった2人が出会えたらしいと一瞬安堵しかけて、──それならば、どうしてその声は切迫した色を帯びているのか。
ぱ、と再び駆け足に歩を進めれば、須藤に駆け寄る神田の姿が見える。]
……神田さん、須藤さんっ。
[冷静さを欠いて、声が、跳ねた。*]
(@4) 2015/02/03(Tue) 23時頃