【独】 手妻師 華月斎

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>>-1040　いとしの置壱くんへ
[置壱の激昂する様は、初めてみた。
　ふつふつと、湧き上がるものを抑えるように、
　静かな声で言う。]

　縛ってへんよ。
　日向は自分で考えて、自分で動いてるやろう。
　それこそ、人形とちゃうのやから。

[激昂する置壱とは対照的に。
　今度は此方が冷ややかな眸で
　ぐっと近づいた彼の顔を睨むように見据える。]

　何も知らんやろう？
　僕のことも、あの子のことも。
　何も、――…知らんくせに。
　知ったような口を聞くな。

[腕をあげ、交差するように胸倉を掴み返した。]

(-1115) rinco 2013/08/19(Mon) 23時頃