【独】 鳥使い フィリップ

わ、っ……
すみません、大丈夫です、か？

[そのせいで少女とぶつかってしまう、謝罪して慌てて立ち上がり手を差し出し……
彼女を見つめたまま、暫し硬直してしまう。
それから笑い、けれどどこか泣きそうな表情を見せて]

――すみません、一つ、変なことを聞いていいですか？
僕、ずっとずっと探してるものがあるんです。
鮮やかなな羽根の鳥と沢山の美しい花……見つからないんです、どんなものでも駄目だったんです。

貴女は、知りませんか？

もし知らないなら……一緒に、見付けてくれませんか。

きっと僕だけじゃ見つけられないんだって……――今、分かったんです。

[人の心を持ちながら人を喰らわずにはいられない悲しい獣も、守る為に力を使い誰かに守られ続けていた哀れな能力者も、彼らに置いて逝かれ哀しみを抱えて生きる人々も
その時代には全てが存在しない、誰も恨まず死せることを憾まずにいられる眩い時代
――その中で再会した二人は、蒼空と太陽の下に*]

(-1032) erla 2013/08/08(Thu) 20時頃