【独】 店番 ソフィア

――IF・ちょっと昔話：猫の前足亭――

[それは本格的に店を手伝い始めて数ヶ月、
まだまだ厨房を任せてもらえるような腕もなかった頃。
ゴミ捨てを頼まれ裏口に向かえば、外から弱々しい声]

……？ 何だろ、誰か……っわ！ どーしたの、お兄さん！

[大丈夫？ としゃがんで問えば、喉より先に腹が返事をくれたろうか。
ああ、と得心して小走りに厨房へ。戻ってきたその手には、どうにも不恰好なオムライス]

練習中だし、あんまり美味しくないかもしれないけど……
僕が作ったんだ。お兄さん、良かったら味見してみて。

[食べてもらった方がこいつも僕も幸せだし、と破顔して。
「ソフィア、」と店の方からおかみさんに呼ばれれば、]

(-908) めえこ 2013/08/08(Thu) 08時半頃