[両親が逝った後、家族で暮らしていた離れは取り壊してしまった。妹と二人で維持していくには骨が折れたから。
それからは主に、仕事場でもあるこの風車小屋で生活するようになった。お得意先の建築家のおじさんが、少しだけ居住スペースを増やしてくれたのでとても快適に暮らせた。
妹が18になったとき、小麦を効率よく栽培するためだかの勉強をするため、家を出ていった。今は隣町で寮に入って相変わらず勉強しているようだ。
たまにくる手紙が、いつも金の無心と小麦粉の催促でお兄ちゃんは少し寂しい]
よいしょっと……
[そんな妹が出ていった後の彼女の部屋は、今は物置のようになっている。といっても、ベッドのシーツは取り替えているので客人を泊める分にはなんら問題はなかった]
しかし汚いなこいつの服。
洗うか。
[ベッドに無造作に放り出した彼をしげしげと見つめて。呼び掛けても起きないのを確認すると、よし!と脱がしにかかった]
(-496) kotsuma 2013/08/07(Wed) 06時頃