死んじゃった、あとは……どうしてくれても、いいです……から。
[目がかすむ。ルーカスさんの輪郭が曖昧になって、もうどんな表情をしているのかもわからない。
ルーカスさん、笑ってる? それとも、死に掛けてる私は、みっともなくて汚らわしい?
でも、もうちょっとで、死ぬから。それまで我慢してほしい]
るーかす、さ、
[側にいてもらえるように、痛くて痛くていうことを聞かない体を、悲鳴を上げ続けてる体を、必死に動かして、ルーカスさんの足に縋りつく]
……もうちょっと、だから……。
[もう何もかもが、曖昧で。わからない。わからない。
ルーカスさんが、足に縋りつくことを許してくれたのかも。それとも私の血で汚れたことに腹を立てたのかも。
キスもしたことがなかった。そんな心残りの一つは叶った。
一人では死にたくない。そんな願いも叶ったみたい。
願いが叶って、私、幸せに、死ねる?
わからない……わから、な、い**]
(-412) takicchi 2012/07/23(Mon) 10時半頃