―並行世界 ある日の屋敷/使用人部屋―
[ヒューのズボンを縫うついでに自分のつくろい物を済まそうと、衣装箱を開けた。
一枚ずつ広げては虫食いなどの点検をする。質素な下着、地味で汚れの目立たない色の服に混じり、一枚だけ白い小花柄のワンピースがあった。]
こんなのも買ったわねぇ。
[ワンピースを広げ、しみじみとつぶやいた。
ほとんど袖を通さなかったそれは、ふわふわと夢見ていた頃に買ったもの。形は古いけれど、生地はまだ綺麗なまま。
型を直せば十分に着られるだろう。自分が着るには少々可愛らしすぎるけれど。]
……そうだ。
[思い出したのは、赤い帽子を褒めたらはにかみ笑ったレティーシャの事>>2:68。]
あの子、着てくれるかしら。
[服の点検を手早く済ませ、ワンピースを持ちレティーシャの家に向かった*]
(-193) azubu 2015/04/25(Sat) 22時頃