『お、生きてた生きてたァ』
[待て、と叫ぶ(>>895)と同時目覚めたような少年の、おそらく頭上から声がかかる。]
『あんま暴れんなー、ボウズ。このニワトリ女ァ、いつ落とすっかわかんねェぞ! しっかしなんであんなところから落ちてきたァ? 空から落ちてくるもんはフツー女の子か隕石《フタゴボシ》ってのが定石なんだがなァ』
[黒鱗はあっけらかんと笑って言う。少年には恐怖かもしれないが、無事捕まえられたのは不幸中の幸いといったところか。]
無事なようなら、"降りる"ぞ。
このままじゃあ焼け死ぬ。
[鳳凰はあれから上昇を続けている。ともすればこのまま五色の光に導かれるように、太陽まで突き抜けてしまうかのよう。
たまったもんじゃない、と思えば、降下を命じる。
気まぐれで不精な鳳凰《アリィ》がどこまで己の言葉聞くかはわからぬが、渋々と言った体で、徐々に降下を始めるか。]
(905) 2012/01/31(Tue) 22時半頃