[更に、転校生である。>>286
何かの予感が働いたのか、その日の侑伽は朝のHRの時間に教室にいたし、寝てもいなかった。
幾分背が低くなったものの、変わらず闇の気配を纏う"それ"に、侑伽が苦虫を10匹くらい纏めて噛み潰したような渋面を作ったことは言うまでもない。
一度姿を消した"それ"が戻ってきた程度のことは聞いていたが、転校してくるとまでは知らずにいた。予想もしなかった。『物語』は一段落したんだろ。帰れよ。何で思いっきり居座ろうとしてるんだよ。同級生って嘘だろ……。
しかも身体が弱い設定つきで保健室にも入り浸っているし、化学部にも出入りしだすのである。めちゃくちゃ遭遇する。休まらなさへの疲弊が凄い。
結果、屋上に逃げる頻度が増えたが、今から冬が思いやられた。
ある雨の日には、あまりに行き場に困った侑伽が、理事長室のソファで寝かせてもらったこともあったとか……。*]
(647) sleepingxalice 2022/09/24(Sat) 10時半頃