― 放課後・3年教室 ―
[保健室を出て化学室へ寄ったが、柊木はもう居なかった。
教室に戻っているかとも思ったが此処にも姿は見えない。
こんなことならメッセージを打っておけば良かったなと思った。
その時だった。]
\ニャ〜ン/
[俺の尻ポケットで猫が可愛らしく鳴く。
スマホを取り出して通知欄を見ると、五十鈴からのメッセージ>>601が届いている。
そういえば先程TLN>>492も動いていた気がするが、何事だろうか。
この俺に個別でメッセージを送ってくるとはただ事ではない―――という訳でもない。
柊木と同じく、この五十鈴という男も俺を「ずりやん」と呼び、何故かフレンドリーに接してくれる貴重な存在だった。]
………。
[送られてきたメッセージの内容は、”黒い夕暮れ”についてだった。
七不思議と言われてもピンとはこなかったが、黒っぽいフードをつけた長い銀髪の男の文字に今朝の事を思い出す。]
(633) 2022/09/05(Mon) 00時頃