[ディーンはどこかに消えた。残された陽を治癒する褐色の少女を戦乙女は黙って見ている]
……その力は妙だな。特殊な時空歪《クロノノイズ》…いや、特殊じゃない。逆だ。この場にあって、私の目にも何の違和感も映らない。そんな力と言えば…
いや、気のせいか。それよりも今は…!
『『森羅万象の道標<マスター・キー>』などとはね』
[ダメで元々、と目の前の宙を細剣で切り裂いた。壁紙がめくれるように何もない酒場の中央の空間が剥がれ、何色ともつかないマーブル模様の空間が広がる]
開けた!?
さっきまではどうしてもアクセスできなかったのに!
まさか……三重の次元障壁《トリスメギストゥス》が!破られているだと…!?
獣《ベースティア》の仕業か…!
[褐色の少女は自分の力の事でこちらを気にしていたかもしれないが、それどころではなかった]
(595) 2011/06/07(Tue) 21時頃