人狼議事

25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[花咲ける時期など短いが故に、
 己の選んだ手段は朽ちかけた大樹の上に芽吹き、根を生やすこと。
 儚く散りゆくことよりも、己が幹を伸ばし枝を張り止まり木となろうと。

 そのために足蹴にしたものも、広げた葉陰で萎れた花も、おそらくは少なくなかろう。

 宴席の支度が整えられていくのを廊下からゆるりと眺めつつ、人を呼びつけて今宵咲くべき花の目録と寄越させる。
 あの丸い指でよくぞという達筆な字で記されているのは、並べられる花の呼び名のみか。]

…夜、光………だと?
[目に留まったその名に、灯火に映える白い肌はサッと殊更に蒼ざめた。
 あの頃からは幾年月。あの笛の名手の彼であるはずもない。
 そも…このような場所に来られるはずもなく…

 いや、追い落としたは…、二度と吹けぬようにしたのは、紛れもなく己。

 目録を下男に突っ返すと、
 からり、下駄の音は幽鬼のごとくさまよう。]

(582) 2010/08/02(Mon) 14時頃

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