[くぅ、と。またお腹が鳴った。
獣としての飢えにはこれからも抗っていかなければいけないのだろう。
でも、所詮は12年間どうにか我慢できていた程度の欲求。そのはずだ。]
ほんっと……どうかしてたわ。
教え子、食べたいだなんて。
[今はもう、「佐倉ソフィア」という生徒を食べたいだなんて微塵も思わない。
だって、自分の「ヒロイン」は「清家レティーシャ」にしか務まらないと、厭と言う程夢に見て、知ったのだから。
卑しくて我儘な生良くらりを赦してくれるのなんて、レティーシャだけだろう。
あの美味を散々舌に、胃袋に刻み付けた今、他所のヒロインなどでは役者不足に他ならない。]
はー……死にたい。
[教師失格だったこの一週間と少しを思い返すと、本当にそんな気にもなる。
多分、それこそレティーシャが知ったら許してくれないのだろうけど。]
(558) shirone 2018/04/09(Mon) 04時頃