[奈々も自分に続いて祠に手を合わせている。こういう時は側に誰かが居ないときが良い。池のほとりに佇み、池の底に沈む倒木をじっと見ていた]
「遥さん」
[後ろから名前を呼ばれ、振り返る]
あぁ、もちろ……っ
[勿論、祈った内容は内緒で、と続けるつもりだった。両頬に彼女の手が触れた>>455。伸ばされた手。恐る恐るといった風には見えない。戸惑っていると頬を撫でられた。胸が熱くなる。
ずっと、この時を待ち望んでいた……。
じわりと涙が浮かび、見せまいと僅かに俯く。あたたかいものが唇に触れた。下から押し当てられた彼女の唇]
…っ!
俺、嬉しい……よ。
[数秒のキス。
離れる唇を追う。強く抱き締めて。触れているのだと何度も何度も確かめるようにキスを交わした]
(528) k-karura 2011/03/02(Wed) 23時頃