―― 2階に戻るまで ――
[>>451はっきり言われた。信用しねえ、と。
当たり前の言葉だと、思った。
だから、ただただ俯くしか、できなかった。
立ち去り際、蛍紫が哲人に伝えた言葉を上手く聞くことはできなくて。
ただ、ごめん、とだけ金色の髪の彼に残して、部屋を後にした。]
[自室に戻るまでの速さは、とてもゆっくりとしていて。
戻るまでの時間は、とても長く、そしてとても短く、感じられた。
大きく頼りがいあるとは決して言えない身体の彼が、その手で肩を支えてくれている。
とても辛くて、でも、とても心地良くて……。
口元に、微かに笑みが零れていた。
……ああ、そう言えば着替えてきたんだな、って。
濡れてはいない色違いのシャツとベストをぼんやり目を落としたりもしながら、部屋に辿り着くまでの時間を経た。]
(527) 2011/05/19(Thu) 14時頃