>>521
ああ、わからんな。
それを訊くのも無粋かね。
まぁ、一応訊いてみてもいいな。あれに刀を貸す約束をしててな。
考えれば俺も危ない約束をしたものだ。ただ、舞はなかなかに力強く美しく思えた。
[相槌を打つ高嶺をちらと見下ろして、その顔がこちらを向くと、やはり綺麗な貌に、まったく…と呟いて…。]
俺が気に入るという問題もあるだろうが、
花が俺を気に入るかもあるな。
まぁ、俺は花を買っても、あまり大事にしないらしい…と、放っておいてばかりで呆れると、よう怒られていたさ。
[かつて買い求めた花は一輪。花というよりもまるで駄々っ子をあやす乳母のような花だった。見てくれも、ここにいる花々に比べれば見劣りしかしなかった。
だけど、あたたかい奴で……仕事にかかれば全く振り返らないことも、愚痴はすれど見守ってくれてた。
で、{3}年ほど一緒にいたろうか。
そののち、親が病に倒れた報を聞き、田舎に帰っていった。]
(523) 2010/08/02(Mon) 09時頃