……ラルフは、寝ておくんだよ。少しは、落ち着くはずだから。[謂って、少し、行ってくる、と断って一度部屋を後にした。本能を擽るようなものを、少しでも、減らしておくために。せめて、自分にできることを。階段を下り、血のにおいにくらくらとしながら、されど「やらねば」という使命感で無理やり人喰いの欲望をねじ伏せる。]……――ごめんな……[金の髪、殺された少年には、きっともう――届かない侘び。ディーンを探そうという心の余裕はなく、黒く変色し始めた血を、洗い流して、死体を、せめて何処かに隠しておきたくて。]
(520) 2014/11/19(Wed) 04時頃