一気にしゃべって喉渇いてない?コーヒー淹れるよ。それとも紅茶がいい?
[逃げるように席を立った。とはいえ、1Kのアパートだから、台所に立っても普通に声は届く。飲み物を用意しながら、やっぱり沈黙が嫌で口を開いた]
……そのリンダと、……シて、暁はヨかったの?
[あれ、何聞いてるんだ僕。ちゃんと、それは偽者の仕業だって言ったほうがいいんじゃ。……あれ。なにこれ。心がずんと重くなっていく。
ああ、……やだな]
……普通のロクヨンじゃキャラクターとセックスはできないけど。
そのリンダと、……またヤりたいって思う?
[中学の頃、一番の親友に彼女ができて疎遠になったときの気持ちと似てる。
大切な友達を知らない誰かにとられたような、そんな感じ。
いつの間にか、飲み物を準備する手は止まっていた。
来客用のカップを握りしめたまま、僕はその場に立ち尽くす]
(494) siro 2011/03/02(Wed) 21時半頃