― 少し前・屋上 ―
[>>369『その時は許さなくっていいさ』なんて軽口があんな綺麗な花火を作った人だなんて信じたくなかった。気持ちが解るって言ってるのに、それでも柊木がこんなことをする理由が沙羅には理解できないままだった。そもそも過去に二度ほど柊木の事を理解しようとして、努めたけれど理解できなかった。]
…あなたはっ… 確か、化学部の!
[>>420メアリーを探すため屋上を後にする時、入れ違うように入ってくる人影たち。知った顔が多い。ああ、そうか化学部員だ。と遅れて合点がつく。
華道部部長のわたくしが部員を大切にするように、化学部部長の身を、部員が心配する。――当たり前だ。そう、これは沙羅の思考の中では、当たり前のこ事なのだ。
まあ、だからこそ昨晩はキレたわけですけれど。
「部員にちゃんと慕われてるなんて、なんだかんだいっていい部長してるんじゃない。」思った事は、言ってやるもんですか。そんな事を思いながら屋上を後にするのでした。**]
(488) 2022/09/08(Thu) 21時半頃