─回想:夏休み/自宅で>>281─
[あのあと。ヨスガは熱を出してしまった。
池に落ちたりしまうからだ。でも、心配はすごく心配だ。]
ヨスガ?……熱あるんだから起きるなよ。
洗濯とかは全部やっとくから
[むう、とへの字口。
快活で人好きのする笑みもいまは力無くて、とても弱々しい。こんな風に熱を出すのは、本当にいつぶりだろうか。2人して風邪をひいて両親を慌てさせたとき以来か。
あの時は変な悪夢を見て酷くうなされた。
父がお守りだよ、とブレスレットをくれたのだった。
水を手渡したら邪魔しないようにするつもりだったのだけれど、手招かれる。>>282
むう、と。困ったように眉を下げるのは照れくさいのと、彼に自分の凡庸さが映るのが好きじゃないから。
でも、断ったって聞かないのも知っている。
──仕方がない。
床に膝をついて、視線を合わせる。]
(443) 2018/09/08(Sat) 20時頃