―ススキの原>>432―――……、 っ[口を開いて 閉じて。引き結ぶ。――少し、余裕が出てきて思うのは。自分は、自分のことしか見えてなかったということ。]甲斐くん……?[指先に触れる髭の感触。頬に手を添えたまま、眼を見る。銀の燐光が、映りこむ]……そんなことはない よ、……そんな ことは……―――[そんなこと、あってなるものか。吐き出すような、三垣の――とも の 声を思い出す。おとなになった。棘は、溶けないままだった。]
(439) 2014/10/09(Thu) 01時半頃