お、お兄さんって私のことかい?
[おじさん呼ばわりが連続していた中、志乃の己を呼ぶ仮称>>396につい顔が綻ぶ。
それは子供のように純粋な笑顔。
表情を輝かせて己の生業に興味を示す様には照れたように咳払いをひとつしてみせて、困ったように眉根を下げた。]
あ、いや……私は物語を書いている訳ではないんだ。
まぁ、あちこちから、様々な文献を取り寄せていたりするので勘違いする者が居るのは仕方のないことなのだがね。
[しかも、いちいち訂正しないので知らない者の誤解はそのまま定着してしまっているらしい。]
物語もそれなりの文献は揃っているが、私は今まで一度も書いたことはないなあ。
私は、どちらかと言えば、外の国の文献を翻訳して纏めたり、古い文献を紐解いて歴史や伝承を検証したり、そんなことをしている。
それも、ほとんど趣味で、なのだが。
しかし案外これが、医術や耕作、建築等様々な分野に役立ったりしているみたなんだな。
(435) 2011/09/13(Tue) 03時半頃