ええ。小さいころ、みんなで集まってよくとっていました。
中には苦手な子もいて、「男の子のくせに」って、一番おっきな虫持って追いかけたりしていました。
[懐かしくなって笑顔で言う。
泣きながら逃げていたあの子は、そういえばどこに行ったのだろう。
あのころは、オトナの事情など知らされることはなく、いつの間にかいなくなった。風の又三郎だったんだ。そんなことをみんなで話していたような気がする。
まさか目の前にいるとは思わずそんなことをふと思って。]
あ。すみません。カメちゃんって言うのは、ここにずっと住んでいる、ええと、子で…
[いきなり「カメちゃん」と言われてもわからないだろう。と思い、慌てて、少しぼかした説明をしかけて、]
ああ。もう自己紹介は済まされたのですね。
[「年齢」という言葉に苦笑しながら、]
それ、カメちゃんに言ったらきっと怒りますよ。
あのこ、私たちよりもずっと年上なので…
[くすくす笑いながら、そんな忠告をした。]
(431) 2012/08/10(Fri) 23時半頃