――#公式が大火事>>382――
[髪を撫ぜる手があった。汗の乾いた髪は張り付きもせず亀吉の指を通る。
風邪かどうかを問われて、間があく。何となく認めたくなくて、認めたら本当にそうなってしまう気がして、うんともすんとも言わなければぴくりとも動かなかった。
けれど熱があると言われた。頭が重くてまっすぐ支えていられないし、顔が熱くて目が痛い。声も枯れている。
否定できる要素がどこにもなくて、数秒空いてようやく観念して頷く。
乾いた喉から無理やり唾液を集めて、飲み込む。喉を湿して、言葉を絞り出す。]
……だから、買い物、
[行かないと、と肩に乗せていた頭を上げる。
狼の血が、亀吉を苦しめて発熱させていたとは知らない。
心配されている点には気づけないまま、まだ一人から抜け出せない思考で動こうとする。]
(418) mmsk 2018/04/08(Sun) 22時半頃