― 回想:9月、留学初日 ―>>410>>411>>412>>413[名前が解っていて、過去の面影があるなら、 それこそお互い間違う事なんてない。 同じ言語で返してくれるその声だって、 聞き覚えがあり、ああ、と思った。 衝動的に飛びついた私を迎えてくれたのは、 一目で大好きになったあのバレエのような。 そんな柔らかで滑らかで優雅な動きの流れ。 くるりと回る世界で先生だけは回らずに。 流れに身を任せるように決まったポーズは 何度も見たバレエのワンシーン。 私も指先の演技が出来たらよかったのだけど、 ただただ胸の前で握りしめるしか出来なかった。 オトサカは、オトサカの演技は、 あの頃のままだ、とぽやっとしてしまう。]
(415) 2020/01/07(Tue) 15時頃