[>>395化学実験室の窓を開けるとふわりと風と共に詩が届いた気がした。
競って、負けて、負けて、追いつきかけて、追い越して。漸く勝てた時の達成感は今でも覚えている。サラははじめて明確に勝ちたいと思った相手だった。その後もまた負けたり勝ったりを繰り返して結局は負け越しで。
クラブを辞めるまでに勝ち越せなかったのは乗馬クラブでの唯一の心残りだ。]
──またいつでも、か。
[そう少し考える。
高校で再開した時には「サラか!?」と喜んだものだが、結局部活にバイトに忙しくして彼女と改めて競ってはいない。(因みに彼女の呼び方が愛称というより呼び捨てなのは小さい頃の知り合いだからである)
だから、──そうだな。]
卒業までには、また。
[そう呟いた返事は歌ではなかったため、彼女に届くかは解らぬまま。*]
(401) 2022/09/04(Sun) 02時半頃