トニーは、ええとユーリィの同室だっけ。
もし、先に会ったら伝える よ。
[今度は首を傾けたまま、苦しげなベネットをじっと見詰めた。
相手の様子の理由が分からず、ディーンにも一度だけ視線を向けるが、彼の表情からは今は何も読み取れない。ベネットが肉体的な苦痛に耐えているのか、精神的な苦痛を味わっているのか。嗚呼、逆に快楽もそうだろうか。]
──…嗚呼、
個々が感じている 苦しさとか痛みって、
他人には実感出来ないものだよね。
[唇から零れた淡々とした言葉は、独白に近い。ラルフのにぶい銀灰の瞳から表情が消えている。客体として、今の自分自身を見詰めたらどうなるのだろう等そんな思考がよぎっている。もし、ラルフがベネットの恋情を知ったら──何か新しい感情が芽生える事はあるのだろうか。
と、また小さな目眩い。ディーンに心配される通り、軽い日射病は有り得そうだったので、ラルフは散水ホースよりも、食堂へ水と氷をもらいに行く事にする**。]
(401) 2010/09/03(Fri) 04時半頃