[”その程度”の具体的な指示は功を奏したかどうか。
彼の愛≪マヨ≫を押し留めるに足りていただろうか。
どっちにしたって「ヘイヤ」は気にもとめずにハムサンドをポケットに仕舞うのだけど、李のほうはそうはいかない。
パンの上を動く見慣れたチューブを
心配そうにじぃ、と見つめる黒い瞳は、
白≪マヨ≫の行方>>384をつぶさに見ていた。
まぁ、それでも 「どっちにしたって」
「ありがとう」と礼を言うくらいの”マトモさ”はあったし
引きつった頬を隠すくらいの”オモテムキ”は
ここ5年で手に入れられていた… はず。]
ああ、ああ、俺は王とハッタを探しに行かなきゃ。
ドーモな。学者サン。 割れてねー卵サン。
[薄い塀の上にすくりと立ち上がり、ぱんぱんと叩けば、不本意な毛玉がおしりの上で揺れる。
引き留められねば ”じゃーなー”という軽い挨拶の後
伝令ハッタが消えたという方角へ、兎も姿を消すだろう**]
(397) 2015/06/20(Sat) 06時頃