ー本屋•カウンター前ー
>>286 カリュクス
[この本をください、そう言って大きな服のポケットからちまちまと財布を取り出す様子はまるで、『てぶくろをかいに』みたいだ、なんで。
そうだ、この少女(といっても実年齢は少女とは言えなかったように思うが。)は童話のーそうだな、銀色の狐の少女のようだ。学生時代の先輩に、五行とぎんぎつねの少女を題材にした小説を書いていた先輩がいたのだ。まったく幻想的で、ほそい銀の髪がきらきらと粒子を纏っている気さえする。」
これだね、毎度ありがとうござります
[どこか怯え竦んでいるような彼女に、つとめて優しく微笑んで本にカバーをかける。カバーは包み紙なのだ。読むときつけない人でも、開封するたのしみを本にも持ってほしい。]
また来てね
[本を渡して、ぽんとつるりとした頭に手を置いて言った。]
(395) 2014/10/03(Fri) 00時半頃