、そうだね。
……でもこっちの方が良いかな。
[ 一度間を置いて、こちらも肩を寄せかかりながら口角を上げた。
しかし悪戯めいて微笑む相手>>363には、こちらも軽薄じみた笑みで一度そこから手を離す。
傘を持てば握り返すこともできない、と。柄を取る片腕を僅かに開いた。こっちの方が“近い”し、と心中の我が儘はそのままに告げる。
肩を上げそこへ腕を絡ませるよう示すそれには、どう反応が返ったか。]
嫌って言うと思う? 先輩こそ、嫌なら突き放してよ。
[ ――勘違いする前に。小さく揶揄うように相手の問いへと返しながら進めば、やがては自宅が見えてきただろうか。
着いたならタオルを手渡し、濡れた相手へ風呂を使うか尋ねただろう。
断られれば衣服を乾かしたのち、飾り気のない客間へと通しては。晩ご飯を作る時間になるまで話でもしたのだったか。]
(387) 2014/10/07(Tue) 00時半頃