[振り下ろした鉄槌が男の肩にめり込む。
骨が軋み、砕ける感触が手に伝わった。
倒れかける男に尚も追撃しようとした所で、
再び半月円が飛んできたのを見る。
またフランクだ。>>369
あの悪趣味な猫野郎とも結構な年月の付き合いになるが
彼の放つ飛び道具が、こうして自身のすれすれの個所を通り過ぎた事は数えきれない。
ある時は首元が刃を、ある時は腕と鉄槌の間を弾丸を。
その頻度と言ったら戦闘に乗じて暗殺を狙ってるんじゃないかと疑うくらいだ。
本人曰く悪意はないらしいが、それにしてはこちらが怒鳴っても殴っても懲りてるんだか懲りてないんだか分からん態度でへらへら躱される。
アル中のクソガキとは違って正気な分だけタチが悪い。
それが余計に癇に障って、彼に対しては(まともな)他の船員よりも喧嘩を吹っ掛ける頻度が多かった。
というのはまた別の話だが。]
(384) 2014/12/09(Tue) 00時半頃