…――愛嬌があっていいと思うよ。
[お兄さんに"愛らしい"はあまり似合ってないけど。
正直な感想は、いつも通り胸の中に仕舞い込まれ、尖らせた口を愛想の篭った笑みへと塗り替える。
遠くから見れば、それなりの関係に見えるのだろうか。
そんな事を少し意識し始めれば、持ち上がる口角>>373が小さな唸りを吐き出すまでを、そしてその先も、柔い瞳で見つめる事に努めてみる事にした。
そうすれば、誰か――獣が自分を見た時に。少しは、良い物を覚えるだろうと。]
一週間の半分を食パン一斤で生きる、しがない鹿なもので。
[その瞬間に露わとなっていたぎこちなさに気づく事はなく、ただゆるりと首を振るう。やがて、顎に当てられていた指が向けられれば>>374、続く提案に約束に少し目を丸くしたか。
だがそれも、覗いた耳と"狼"の答えが"獣違い"の解を弾きだせば、眉尻を下ろし、カツリと更に一歩互いの距離を埋める。
巻いたマフラー上端を顎下まで引き下ろし、鳶色がやはり柔く笑んだ。]
――いいよ。花もあげる。…何が聞きたい?
[一間置いて、"好める物が渡せるかは分からないけど"と付け足しつつ。]
(379) 2014/10/04(Sat) 23時頃