…さぁ、私にも本当の所は解らないがね。
だけれど、"普通ではあり得ない"ものなんだから。
なら誰かに造られた可能性だって…十分にあると思わないか。
[彼女の投げてきた質問>>367には、思案するような素振りと共にそんな答えを。
その瞳にも、表情にも。男の考えも感情も、浮かぶ事はきっと、きっと無かっただろう。
此方を見つめる瞳を見返し、きっと"もしも獣人に会うた時のこと"を考えているのだろう。何処か申し訳なさげに俯いてしまった少女>>367には、男は小さく苦笑を漏らしはしただろうか。]
優しいものだな、君は。
私ならきっと、獣人なんぞに会ったら奇異の目で見てしまう。
…きっと、好奇心が擽られてしまうから。
例え獣人が、君の言うように"拒絶"を恐れていたとしてもね。
[言いながら、組んだ手の爪をカチ、と一度だけ鳴らし。小さなその音が彼女に聞こえたかは解らないけれど、細い糸として僅かに綻んだ爪の先は、彼女の位置からは見えないだろう。
男は一度ふ、と息を漏らせば、解けた糸を指でぐいと押し込み、また少女へと視線を戻す。]
(375) 2014/10/04(Sat) 22時頃