[少しだけ想像を巡らせて、まだそういう反応をした事がある訳でもないのに申し訳なさそうに俯いた。
そんな矢先、相手から新たな問いかけがなされればバッと顔を上げて]
あ!ルーカスさんは何も悪い事なんてしてないのよ!
何て言うか……私、貴方の手が、苦手みたい……?どうしてかしら?普通の手だと思うのだけれどね。
貴方の手は、好きよ。
[好き、と言いつつ目は相変わらず戸惑いの色を見せて。
目の前で組まれた手に、控えめに手を伸ばす。同時に響いた時計の音。
カフェテラスの時計を見ると、…の配達の定時を知らせるのと同じ方向を差していた。
思い出すのは、鞄の中に入った花屋と本屋の伝票。]
あ……あっ!?
あの、私、行かなきゃ…!昨日配達し損ねた所があるの!
[まだコーヒーすら届いていないというのに、わたわたと伸ばしかけた手を彷徨わせる。]
(368) 2014/10/04(Sat) 20時半頃