たし、かに、邪魔をしたら悪い……わね……
[浮かしかけた腰を、再び降ろした。
店員がオーダーを聞きにやってきても相手の目を見つめるばかりでコーヒーを2杯注文されても上の空である。
手を収められたまま、投げられた質問に答える。]
……私は、クラリス。よろしくルーカスさん。
獣人の話に……戻りましょう。さっきは嘘を吐いたの。
獣人なんて信じていないわ。興味はあるけれど。
……まぁ、会ってみないと分からないわよ。いい獣人がいるんだったら、会ってみたい。
そういうルーカスさんはどうなの?
あ、あと……手を握りっぱなしよ、貴方……
[ゾワゾワした感覚に耐えながら、僅かに震える声で答える。
そろそろ手を離してくれないだろうか。不思議な感覚は戸惑うし、何より、周囲の目が気になるのだ。]
(357) 2014/10/04(Sat) 18時半頃