[弁当を広げ始めたヨーランダが食べようとする様子を、天使は微笑みながら眺めているだけ。食事がてらと呼び出した本人は特に食事を持ってきてはいない。かと言って広げた弁当に集る真似もしなかった。]
ああ、そうだ。
小鳥は何か連絡先は持っているかい?
[そう問われ、咄嗟にスマホを出してしまったヨーランダは、あまりに根が善良過ぎたのだろう。
「少し借りるよ」と言葉をかけるや否や、スマホを手に取られ、あれよあれよという間に、連絡先が交換され、画面には見知らぬ連絡先が映し出されていた。]
はい此れ、私の連絡先。気軽に相談してくれ。
あまり重たい話や面倒くさい話は勘弁だが、
簡単な疑問や雑談くらいは寧ろ歓迎だ。
老人の娯楽相手に、とでも思ってくれ。
遠慮は要らない、何せ私はエンジェルさん。
話し相手が私の今の仕事だからねぇ。
同僚との雑談が仕事に換算される訳だから、
私にもきちんと利はあるのさ。
(354) 2020/01/07(Tue) 02時半頃