―2F/2-Ⅴ―[自分に宛がわれた部屋に辿り着くとイアンは大きく息を吐いた。身体の底から押しだされた空気は、重く、湿り気を帯びているように感じた。部屋は簡素なままだ。イアンは装飾を何も望んではいなかった。望んでいることは、知ることだけ。簡素な部屋はその心の現れなのだろうか](明日はヘクターの言っていた図書館に行ってみよう…… 人狼が何なのか調べないと……)[ベッドに倒れ込む。睡眠は十分に取ったはずなのに、睡魔は襲ってくる](……身体を洗わないと……)[既に身体は動かない。意識の帳が落ちていく。明朝、タライに入った冷たくなった水とタオルを見つけることになるかもしれない]
(352) 2012/05/20(Sun) 21時頃