どう、して……?
[大きな瞳を何度も何度も瞬いて、ぽつり紡げたのはそんな一言。出会って数時間しか経っていない。
話したこともない人間を好きになるのか分からないと言っていたのはヴェラなのに。
話をしていないわけではないけれど、好きになってもらえるほど話をしただろうか。
からかっているのだろうかと芽生える疑問は相手の表情を見ればすぐに払拭される]
あのね、あのっ……!
[1日で振られた中学校の時のことを思い出して、瞳が潤む。
迷惑をかけるどころか、命の危険に晒すのだから、きっぱりと断るべきだと分かっている。
大切だと意識すればするほど、なおさらのこと。胸の前で小さく不安げに拳を握る]
あのね………あの……考えさせてって答えは卑怯かな。
きっとあなたは私のこと知らないだろうし。
私もあなたのこと知らないし。
[結局断るべきだと思いながら、断れない。見て見ぬ振りをしている自分の気持ちもきっと……
一歩踏み出すだけ。そのことに未だ臆病になってしまう。
真っ直ぐなヴェラの視線を受け止めかねて、視線は自然と落とされ、俯いた**]
(351) 2011/04/04(Mon) 08時頃