―回想・カフェ前にて―
[少女>>338を見送りつつ、何処からか感じた視線の先にへと男は向けたのだったか>>316
何気ない問いかけに感情を露わにする青年>>346に、男は少しばかり瞬きをする。
それも頷きと共に肯定され、自身の存在を問われれば、勝手に唇は動き始めたのだが。]
僕かい? 最近チェシャ猫だとか黒山羊だとかクロだとか言われていてね。僕自身も分からないのだけど。…ヤニクとでも呼んでおくれ。
人違いでないのなら、君のこと何回か見たことあるよ。
アパートで暮らしてるだろう?
[相手の問いかけにオマケの山を一つも二つも乗せて返せば、彼はどのような表情を浮かばせただろう。
一歩。男と彼が距離を詰める度。
隠すことなく剥き出しの鹿角が視界に入り、男は目元を緩める青年とは裏腹に、驚く様子を見せた。]
――…君、案外大胆だね。
[普段饒舌である男が吐息と共に漏らした言葉は、そんなものだった。]
(347) 2014/10/04(Sat) 17時半頃