[引き結ばれた口元。視線の先>>330を辿っても逃げる白い後ろ姿があるだけだ。]
そんなに怖い顔しないでちょうだい。せっかく被ったおばあさんの皮が剥がれるわよ、狼失格ね。
誰かれ構わず手紙を振りまく程尻軽ではないので……これで充分です。
[悪戯そうな笑みを浮かべて、端末の後ろに付いているレンズを相手に向ける。
パシャ。水溜りに態と踏み込んだ時と似た音が響く。…から見える液晶画面には、相手の顔が映り込んでいるだろうか。
映り込んでいたのなら、端末をそそくさとポケットに隠してしまって。……後でこの写真をカナリアさんに送ろう。
下手な文章よりも、何倍もいい筈だ。
恐らく、相手の顔は嘘ではないだろうから。]
[写真が撮れようが撮れまいが、端末は仕舞う。
言い訳が欲しいのか>>332という問いに、浅く息を吐き出した。
目の前では、噴水が落ちてはけたたましい音を立てている。]
言い訳が欲しいのは貴方なんじゃないの?
もう耳を隠さないのは、誰かに自分の事を糾弾して貰いたいから?
(344) 2014/10/09(Thu) 01時頃